Blog記事一覧 > 健康情報 | 芝公園・浜松町・赤羽橋・三田 芝公園整骨治療院 - Part 7の記事一覧
こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
雨の多い五月ですね。
ジトジトトと蒸し暑かったり、冷たい雨で気温が下がったりと、寒暖の差も大きな日が多いように思います。
「五月病」という言葉がある様に、ただでさえ心身のバランスを崩しやすいこの時期、
気候までがこの様だと、ますます心身への影響は大きいのではないかと思います。
鍼灸などの東洋医学では、感情などのこころの様相と、五臓六腑や、そこを流れる気血の流れとが密接に関係していると考えています。
今回は、主なこころの様相(感情)と、その五臓や身体への影響についてお話したいと思います。
(※東洋医学でいう「臓・腑」の概念は、現代医学の解剖学的な「臓・腑」とは少し異なります。その点だけご承知おきください。)
〇怒り → 気の上衝 → 肝に影響
先ず、「怒り」の感情では気が「上衝」します。
「上衝」と書いたのは、通常の気の循環の範囲で必要な分だけ「上昇」しているのではなく、落ち着くべき気までが逆上して突き上げるという意味です。
本来、全身の気のスムーズな流れをコントロールしているのは「肝」の臓です。
しかし、「肝」は怒りやストレスの影響を受けやすい臓だとされています。
その為に、ストレスやイライラが蓄積すると肝の気が鬱滞して上衝してしまうのです。
「怒髪冠(天)を衝く」といった状態ですね。
こうなると、上気したり、頭痛やめまいが生じたり、眠れない、といった様々な症状が出現します。
逆に言えば、頭痛やめまい、不眠の原因には、イライラやストレスによって影響を受けた肝の臓の不調が原因であることもある、ということです。
〇思う → 気が結ぼれる → 脾胃に影響
次に、「思う」というこころの働きは、過剰になると気が「結ぼれる」、つまり気の流れが滞って「つまった」様になるとされます。
考え事をし過ぎたり思い悩んでばかりいると胃がキリキリと痛くなったり、食欲がなくなったり、という経験をした方も少なくないのではいでしょうか?
そうです。気の結ぼれは「脾胃」に影響を及ぼすのです(※東洋医学の脾は現代医学の脾臓とは少し概念が異なります。消化器系統くらいにご理解ください)。
逆に言えば、脾胃(≒消化器系)が弱い人は、少し考え込んだり思い込んだりする様なことがあると、気が結ぼれて不調が生じやすい、と言えるかも知れません。
その他、「悲しみ・憂い」や「恐れ・驚き」、「喜び」といった感情もまた、各々「肺」、「腎」、「心」の臓と関係が深いとされるのですが、これらについては次回以降お話したいと思います。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
皆さん、日常での立ち姿勢、座り姿勢などの習慣にどれくらい気を配っていらっしゃいますか?
前回、『ロジカル筋トレ』(清水忍著/幻冬舎新書)という本を紹介しましたが、
その中に、興味深い記述があったので、引用して紹介させて頂きたいと思います。
それは、イチロー選手に関する記述です。
『大打者イチロー選手は、シアトル・マリナーズで活躍していた頃、球場のロッカーロームで硬いパイプ椅子にしか座らなかったそうだ。
メジャーのロッカールームでは選手たちがくるげるよう、座り心地のいいフカフカのソファーも用意されている。それなのに、なぜイチロー選手は常にパイプ椅子にしか座らなかったのか——。その理由は『フカフカのソファーよりもパイプ椅子のほうが、坐骨の支えで骨盤を立てて座れて、腰に負担がかからないから」だったそうだ。
つまり当時のイチロー選手は「椅子に座る」という日常的行動にも明確な根拠を求め、自身のコンディション低下やパフォーマンス低下につながりそうな要因をことごとく排除していたというわけだ。』(以上、『ロジカル筋トレ』(清水忍著/幻冬舎新書)より引用。太文字、文字の色変化はブログ筆者による)
いかかですか? さすがイチロー選手、といったところでしょうか。
私も患者さんにはよく座位姿勢(イチロー選手の記事にある通り、坐骨で座るということ)をアドバイスさせて頂くのですが、
現代人は大人から子供まで、座り姿勢の悪い人が多い様に感じます。
悪い姿勢が習慣化してしまうと、せっかく運動している時にも、習慣化した悪い姿勢が出てしまい、悪いフォームで運動してしまっている可能性があります。
そうすると、本書にもある通り、運動の効果が半減するだけでなく、反って体に負担をかけてしまう可能性があります。
トレーニングの際の正しいフォーム(姿勢)というのは当然大切なことですが、
正しいフォーム(姿勢)というのは日常動作での習慣こそ大切なのだと思います。
本書では、「腰痛には腰周囲の筋肉を鍛えると良い」という一般論に対しても、
腰を支える筋肉を付ければ良いという問題ではなく、(習慣的な)姿勢の問題だと言っています。
イチロー選手ほど厳格ではなくとも、健康の為には、或いは、健康の為に行う運動の効果を上げる為にも、
仕事中や日常生活での姿勢の習慣を少しだけ見直してみてはいかがでしょうか?
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
コロナ禍になって、健康のために運動をはじめた、という方は多いのではないでしょうか。
筋トレブームでもあるようで、某NHKでも一時期盛んに筋トレ番組が放映されていました。
しかし、運動を続けていてもなかなか効果を感じにくい、という方や、
反ってどこかを痛めてしまった、といった方もいらっしゃるかと思います。
当院の患者さんの中からもそういった声を聴くことがあります。
そういった方に是非ご参考にして頂きたいのが、『ロジカル筋トレ』(清水忍著/幻冬舎新書)という本です。
この本の趣旨としては、
①先ず、筋トレを行う目的をはっきりとさせること。
②そしてその目的に合ったやり方やメニューを行うこと。
③更に、トレーニングを行うに当たっては、必ず正しいフォーム(姿勢)で行うこと。
などが挙げられています。
何キロ挙げられた、という重量や、回数、セット数を目標にして、
姿勢を崩してまで重い負荷を挙げたり、やり易いやり方や間違った姿勢で回数をこなしても、
本来目的とする十分な効果が得られないばかりか、反ってカラダの故障につながる、ということです。
詳しい(正確な)ことは、実際に本書をご購読頂いて、皆さんのトレーニングのご参考にして頂ければと思います。
本書は、タイトルにある通り、主に「筋トレ」を軸に書かれていますが、これは筋トレに限らない様に思います。
当院の患者さんでも、ジムはもちろん、ヨガや太極拳に真面目に通っているけれども、なかなか思うような効果が感じられない。
むしろ、その練習で、腰や膝、肩など、体のどこかしらに不調を訴える方も少なくありません。
そんな方にも、上に挙げた3つの要点は参考になるのではないかと思います。
ヨガや太極拳の各動作や姿勢の意味や目的は何か?
それに合った正しい姿勢で動作できているか?
そして、それらを練習するご自身の目的は何で、その目的や今のご自身のお体の状況に合った負荷や強度で練習ができているか?
そんなことを見直してみると、より効果を得られ易いのではないでしょうか?
運動をしている人にも、これからはじめようと考えている人にも、参考になる一冊ではないかと思います。
興味のある方は是非ご一読ください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
4月19日ブログまでの3回に渡った「健康長寿の鍵は、腎と骨だ」というお話の続きとして、
今回は、中医学的な腎の養生について、それを教えてくれる書籍を紹介いたします。
それが、『老けない体をつくる中国医学入門』(阪口珠未著/幻冬舎新書)です。
サブタイトルにもある様に中国医学の中でも「腎」に焦点を当てています。
4月6日のブログで紹介した『腎臓が寿命を決める』(黒尾誠著/幻冬舎新書)とも何となく共通したタイトルですね。
『腎臓が寿命を決める』では、現代医学的な観点から、
リンの含有量や吸収率に基づいて、食事によるリンの摂取量を抑える工夫などが紹介されていましたが、
本書では、東洋医学的な食養生、薬膳的なアドバイスが、漢方などの知識と共に豊富に紹介されています。
例えば、腎を補うものの一つとしては、クルミなどのナッツ類が良いようです。
中医学では、ナッツ類のクルミは、脳の形に似ているから脳に良い、と言われていますが、
現代的な研究でも、実際にクルミの成分が脳に良いことが解ってきた、といったことなどが書かれています。
(ちなみに、中医学では、脳は髄海と呼ばれ、腎と関係が深い)
また、中医学の五行論(五行説)という考えでは、腎は水の性質があり、色は黒に応じています。
その為、黒い色をした黒ゴマや、水の中に生息する海藻類も、腎を補うのに良い食材だとされています。
(その他では、例えば、心は火の性質で赤に、肝は木の性質で青と対応、などとなっており、この理屈で言うと、「バランスの良い食事」とは、「色とりどりの食事」、と言えるかもしれませんね。)
この様な、日常生活に簡単に取り入れられる食養生の知識が、漢方や中医学の基礎知識と共に解りやすく紹介されていますので、ご興味のある方は是非ご参考にして頂き、生活の中に取り入れてみて下さい。
ちなみに、本書では針灸についてはあまり書かれていませんが、
針灸のツボにも、腎を補うツボや、腎の経絡の流れを良くするツボといったものがあります。
腎が関わる、泌尿器系の症状や、生理などの婦人科症状、
或いは、腎と他の臓器とのバランスの乱れによって生じる症状、例えば、腎と心(水と火)のアンバランスによって生じる、のぼせや頭痛、不眠などといった、現代的に言えば自律神経症状なども、本来、針灸治療の対象です。
針治療にはこの様な内臓の不調にも効果がありますので、肩や腰の症状以外でも、気になるお身体の不調がありましたら是非ご相談ください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
前回、前々回と、書籍の紹介として、
「老化や寿命のカギは、腎臓と骨(リン)」だというお話を紹介しました。
実は、中国の伝統医学では、昔から、「老化や寿命のカギ」は「腎臓」にあるとされています。
針灸や漢方の中国伝統医学(以下、中医学とします)で言われる「臓・腑」は、現代医学で扱われる「臓・腑」と名称は同じでも、その捉えられ方には違いがあります。
中医学では、心、肺、肝といった「臓」と、胃、小腸、大腸といった「腑」とが各々ペアを組んでセットとして扱われます。
腎は膀胱とペアを組みますので、現代医学同様、中医学でも腎の働きには泌尿器の作用が含まれます。
これ以外に、中医学では、腎は先天の気を蓄えている所とされています。
先天の気というのは、父母から頂いた生まれながらの生命エネルギーのことです。
(ちなみに、生れ出た後、食事や呼吸によって得られるエネルギーのことを後天の気と言います。)
人はこの先天の気を消耗しながら成長し、老化し、先天の気が尽きた時に最期を迎えます。
ですので、中医学で言われる腎の働きには、泌尿器の作用以外に、生殖や成長・老化の作用も含まれています。
また、中医学では、各臓器は体を構成する要素と密接に関わっていると考えていますが、
腎は骨と関係が深いとされています。
(それ以外では、例えば、肺は皮膚や体毛と関係が深く、心は脈管と、肝は筋と関係が深い)
つまり、中医学では、昔から、腎は老化や寿命に関係の深い臓として捉えられ、
腎と骨は密接な関係にあると考えらえていたのです。
いかがですか? 中医学のカラダの観方は、前回までのコラムで紹介した、「老化や寿命のカギは腎と骨(リン)だ」という最新の現代医学的な観点を見事に先取りしている様にも思えます。
だからと言って、闇雲に、東洋医学(中医学)が西洋医学より優れているとか、伝統医学が現代医学より進んでいるなどと言うつもりま全くありません。
各々、長所・短所がありますので、各々のカラダに対する観方、考え方を互いに参考にし合いながら、上手に使い分けるのが良いのではないでしょうか?
ところで、前回のお話では、健康長寿の鍵の一つは、
リンの摂取を抑えることと、骨を強くしてリンを骨に閉じ込めることで、腎臓機能の負担を減らすことでした。
では中医学的にはどのように腎を養生すれば良いのでしょうか?
それについては次回に取り上げてみたいと思います。
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前回、『腎臓が寿命を決める』(黒尾誠著/幻冬舎新書)という書籍を紹介しました。
老化を促進し、寿命を縮める要因(の一つ)は、
血中のリンという成分が過剰になることと、
過剰なリンを排泄する負担によって腎機能が低下することである、
という内容でした。
とすると、老化を遅らせ、寿命を延ばす為には、リンの摂取を抑えたいところです。
ところが、このリンという成分、肉、魚、野菜、穀物、乳製品と、あらゆる食品に入っている様です。
しかも、その含有量が多いとされる食品は、タンパク質が豊富であったり、カルシウムが豊富であったりと、他の栄養素を摂る上でも必要なものばかりなのです。
リンの含有量(過剰摂取)を気にしていると必要なものまで何も食べられなくなりそうですね。
本書では、食品のリンの含有量だけでなく、その吸収率という点からの食事のアドバイスが書かれています。
例えば、大豆などは、リンの含有量は多いのですが、その吸収率は低い形のものだそうです。
ですから、タンパク質等の摂取源として、肉や牛乳の摂取割合を少し減らし、
その分、大豆製品の摂取割合を増やすなどの工夫も有効のようです。
間違いなく摂取を控えた方が良さそうなのは、スナック菓子や食品添加物、ファストフード類です。
リンの含有量が多い上に、その吸収率も高い形のものなので、リンを摂取し過ぎることになるようです。
食事以外に、私たちが注意出来ることは運動です。
前回、リンはその約80%が骨の主成分となっていることを紹介しました。
骨は、体の重みや運動の刺激によって適度なストレスがかかることで強くなります。
こうした刺激が無いと、骨は「そんなに強く無くても大丈夫だな」となって弱くなります。
その時、骨の中のリンやカルシウムは血中に溶け出していっています。
そうすると、血中のリンを排出する為に腎機能に負担が掛かります。
本書では、体を動かす(運動する)ということは、
骨に刺激を与えて、『リンを骨に閉じ込めること』につながり、
結果、血中のリンを濾過排出するという腎機能への負担を減らせる、としています。
このブログでも運動が大事ということを度々書いて来ましたので、
『え~、また運動!?』と思った方もいらっしゃるかも知れませんが、やはり運動は大事なのですね。
私たちの施術では、硬くなった筋肉や関節を緩めたり、痛みを軽減・緩和することはできますが、
体にストレスを与えて強く(丈夫に)する、というのは、ご自身で運動を行って頂くしかありませんね。
久々に書籍の紹介をしましたが、大変読みやすく分かりやすい本です。
老化を遅らせ、寿命を延ばしたい、と思う方、より詳しい内容を知りたい方は、
是非ご一読してみてください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
健康長寿を願わない人はいないと思いますが、
老化の程度や寿命は一体何によって左右されるのでしょうか?
これまでにも、老化や寿命を決めるメカニズムについては、テロメアや、活性酸素による酸化、糖分による糖化、慢性炎症など、様々な説が論じられています。
これ以外にも、動物の平均寿命は体の大きさに比例する、という説もあります。
但、これに関しては、概ねその傾向はあるものの、
ウサギ(寿命約10年)や羊(約20年)よりも体の小さいコウモリの方が寿命が長かったり(約30年)、
ゾウ(約70年)よりも体の小さい人間の方が寿命が長いなど、きれいな相関関係にはならないようです。
ところが、リンという物質の血中濃度で比較すると、
各動物の寿命とリンの血中濃度とがきれいな相関関係を描くそうです。
この観点から老化や寿命のメカニズムを論じたのが、『腎臓が寿命を決める』(黒尾誠著/幻冬舎新書)という書籍です。
読みやすく、分かりやすく、なかなか面白い本でした。
この本の概要は次の通りです。
先ず、先ほどから出ているリンというのは、その約80%がリン酸カルシウムとして骨の主成分となっており、その他、DNAや細胞膜の主成分にもなっている、体には無くてはならない成分です。
ところが、多すぎると、体内で「細胞毒」や「病原体」の様に働き、腎機能が低下したり、血管や細胞にダメージを与えて老化スピードを上げるそうです。
その過剰なリンの排出を担っているのが腎臓です。
腎臓は、尿を作る過程で、血液を濾過して不要なものを排出する一方で、
必要なものは血液中に再吸収し、体内成分のバランスを一定に保つ、という働きがあります。
また、腎臓は、他の臓器との関係性において、パソコンで言えばOSの様な働きをしている重要な臓器だそうです。
死因のひとつとして多臓器不全という言葉を聞いたことがあると思いますが、この多臓器不全も実は腎臓の機能不全が起点になるそうです。
この腎臓の機能は、60代、70代になると、20代の頃の約半分にまで低下するそうです。
一度低下した機能は回復や再生はしないそうですが、大切な臓器だけに、もともとその機能にはかなりの余裕をもっているそうです。
ところが血中のリンが過剰で、腎臓でせっせと濾過排泄しなくてはならない状況になると、
その負担によって腎臓機能の低下に拍車がかかり、
老化を進めたり、寿命を縮めることになる、というのです。
『腎臓なんて普段あまり意識してこなかったし、リンもよく分からない。
健康長寿を延ばす為には、一体、何をどう気を付けたら良いの?』
そう思った方もいらっしゃると思います。
その点についても本書では述べられていますので、次回その要点をご紹介しましょう。
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痛み症状に対しては、針治療を選択される患者さんも多いのですが、
前回までに紹介した様ないくつかの質問(湿布の使い分けなど)以外に、患者さんから質問されることがあるのが、
「ところで針はどのようにして効くの?」という質問です。
前回までの3回のお話の中で、痛みがある場合は、
血流を良くすることで、
患部に発生した発痛物質が洗い流され、
組織の損傷がある場合には損傷した組織が修復される、
というお話をしました。
針が「効く」メカニズムのひとつには、この「血流を良くする」ということがあると思います。
針という、人体にとっては異物の侵入や、針の刺入によって生じる組織の微細なキズが、
侵害刺激に対して生じるカラダの反応、つまり免疫反応や修復反応を呼び起こす(増幅させる)というのが現代医学的解釈です。
免疫反応も修復反応も、白血球などの免疫細胞や栄養豊富な新鮮な血液が患部に集まるということで、つまりは血流が良くなるということです。
東洋医学的にも、「通則不痛、不通則痛」(流れが通っていれば痛まない、流れが滞っていると痛む)という原則があります。
「痛むというのは気血の流れが悪いということであり、針で刺激し、流れを良くすることで痛みを緩和する」という考えは
上述の解釈と同じことを言っていると言えるでしょう。
針や灸、吸い玉などは、深部の緊張を取り、血流を改善し、毛細血管を広げて流れを良くします。
特に針の場合は、マッサージなどと比べて、直接、体の深部(にある患部)を刺激できるという利点もあります。
急性の痛みはもちろん、長引く慢性痛や、頑固な痛みには、針や灸、吸い玉などの施術も是非お試しください。
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前回、前々回と、患者さんから質問されることの多い、
「温感湿布」と「冷感湿布」の違いや、痛みがある時に
「温めた方が良いか?冷やした方が良いか?」ということについてお話ししました。
これら以外に時々質問されることがあるのが、
皆さんも病院などで処方されたことのあるテープタイプの湿布薬(テープ剤)(モーラステープなど)と、
前々回お話した「温・冷」の区別のある様な昔からある湿布薬(ハップ剤)の違いです。
これも結論から言うと、温・冷湿布の違い同様
消炎鎮痛成分が主成分で、消炎鎮痛が主たる効能という点で同じです。
(もちろん、入っている鎮痛成分はメーカーや種類によって異なりますが)
最近では、テープ剤の方が主流ではないでしょうか?
テープ剤は、色も肌色をしたものが多いので目立ちにくい、ということと、
粘着力も強く、薄くて伸縮性があるので、貼っていても機能的であるという利点があります。
「温・冷」の区別がある様な昔からあるタイプの湿布薬(ハップ剤)は、
テープ剤に比べると、少し厚みがあってムニュっとした感じがします。
これは水分含有量が多いせいで、それによって患部の熱を吸収する(水分が飛んで行く時の気化熱で熱を取る)作用があるとされています。
ただ、使ったことのある方はご存知の様に、しばらく貼っていると、体温で湿布の水分は飛んでしまい、乾いた感じになってしまいます。
いずれにせよ、テープ剤とハップ剤の違いについても、
主たる目的が「消炎鎮痛」ということでは同じですので、
「温感」「冷感」の違い同様、「使う方の好み」で使って頂いて良いと思います。
鎮痛剤や湿布薬は、対症療法に過ぎず、「根本的に治している訳では無い」という理由で使用を敬遠する方がいらっしゃいます(患者さんにも施術者にも)。
しかし、あまりにも痛みを我慢したり、放置しておくと、
痛みのせいで緊張し、血管が収縮して血流が悪くなり、発痛物質が流れずに患部に留まって、更なる痛みを生じる、という痛みの悪循環が生じます。
また、血流が悪くなると、新鮮な血液が患部に十分に届かず、患部の回復も遅れ、より痛みが長引くことにもなります。
この痛みの「悪循環」を断ち切る上でも、適切な湿布薬などの使用は有効だと言えます。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
前回お話した「冷湿布と温湿布、どちらを使ったら?」という質問と同様によく聞かれるのが、
「温めた方が良いか?冷やした方が良いか?」という質問です。
特にギックリ腰などの急な痛みの時によく質問をされます。
ギックリ腰や捻挫などで患部が痛むのは、(超大雑把に言えば)組織が損傷して、そこに炎症が生じ、「発痛物質」が発生しているためです。
基本的には、血流を良くすることで患部に新鮮な血液が届き、損傷した組織が修復されてゆきます。
また、血流が良くなることで患部の発痛物質が血流によって洗い流され、段々と痛みも収まってゆきます。
ひと昔前までは、ケガなどで炎症を生じたら、先ずは「冷やす(アイシング)」と言われていました。
と言いますか、今でもそう言われていています。それはそれで正解です。
受傷直後などは、冷やすことで、感覚が麻痺した様に疼痛を軽減する効果はあります。
但し、アイシングする(冷やす)ことが、炎症を起こしている患部(損傷した組織)を修復している訳ではありません。
むしろ長期間に渡って冷やし続けると、患部に新鮮な血液が十分に届かず、回復が遅くなります。
「炎症を抑える」という言い方をしますが、アイシングは、「炎症を抑える」というよりは、「炎症部位を不必要に広げない」様にする為だとも言われています。
(冷やして血流を抑えることで、損傷部位に発生した発痛物質などが周囲に広がって周囲の非損傷組織にまで影響を与えることを最小限にする)
ですから、プロのスポーツの世界では、炎症が起きたからといって特に冷やさない、むしろ、あえて温めて回復を早める、ということが随分と前から行われています。
炎症は、ケガを治すための反応でもあるからですね。
とは言え、一般の方が、ギックリ腰や捻挫をした(腫れたり、熱感があってズキズキしている)場合には、
受傷直後は一旦冷やすか、分からなければ湿布を貼っておくと無難でしょう。
但し、冷やす場合でも、大抵の場合は、受傷直後から1日~2日、長くても3日くらいで良いです。
長期間冷やし続けると、逆に損傷した組織の回復が遅くなり、治りが悪くなります(湿布の貼付くらいはOK)。
痛めた部位を治すには、やはり患部の血流を良くする必要があるからです。
ただ、足首などの捻挫などの場合には、冷やすか否かの問題よりも、受傷後の適切な固定(テーピングなど)がその後の治り方を左右する場合がありますので、必要に応じて早期に治療院や整形外科を受診してください。
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