Blog記事一覧 > 健康情報 | 芝公園・浜松町・赤羽橋・三田 芝公園整骨治療院 - Part 5の記事一覧
こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
突然ですが、数年前のあなたの身体と今のあなたの身体は、同じあなたの身体でしょうか?
「そりゃあ、少しは歳も取ったし、その分いくらか太るなり痩せるなりの変化もあったけど、
SF小説みたいに他人の身体と入れ替わる訳じゃないんだから、間違いなく数年前も今も同じ自分の身体だよ。」
と思った方、すみません、少し質問の仕方が悪かったと思います。
「新陳代謝」という言葉はご存知だと思います。
新しいものが古い(陳)ものと入れ替わることです。
人の身体では絶えず新陳代謝が行われています。
例えば、お風呂に入れば皮膚の表面では垢が剥がれますね。
これは、その下で新しい皮膚の細胞が絶えず生まれては表面へと押し上げられ、古くなった皮膚の細胞がその寿命を終えて剝がれゆくからです。
この皮膚の新陳代謝のサイクルは概ね28日と言われています。
身体を構成する各細胞の新陳代謝のサイクルは部位ごとに異なります。
短いものでは、小腸の上皮細胞は24時間のサイクル、胃の表面の粘膜は3日程度のサイクルで新陳代謝しています。結構な勢いで入れ替わってますね。
血液中の白血球(顆粒球)も3日程度のサイクルですが、酸素を運ぶ赤血球になると代謝サイクルは120日(4カ月)ほどです。
他に代謝サイクルがやや長めのものでは、筋肉の細胞は60日(2か月)と言われています。
また、一見硬くて不変のように見える骨も常に破壊と再生とが行われており、骨細胞の代謝サイクルについては約3カ月~2年のようです(資料によって差があります)。そして、3~5年もすれば全身すべての骨細胞が入れ替わるようです。
つまり、数年もすれば、変わらず自分の身体だと思っている今のこの身体も、それを構成している細胞は、実は数年前とは全く違ったものになっている、という訳です。
野球チームで、選手が徐々に入れ替わって、やがて全ての選手が世代交代し、監督や、果てはオーナーまでもが入れ替わってしまったら、チーム名は同じでも実質的にはもう全く異なる別のチームですよね(チーム名すら変わることもありますね)。それでもファンは「同じチームとして認識」し、継続して変わらずに応援します。それに似ていますかね(笑)。
よく、からだに不調のある時などに、「からだのパーツを取り換えられれば」なんてことを言う方がいらっしゃいますが、取り換えなくても、私たちのカラダは絶えず古い細胞が新しい細胞と入れ替わり、刻々と変化をしているんですね。
そして身体の場合、新陳代謝で新しい細胞を作る材料となるのは日々の食事です。
そして身体がどういう風に作り変えられてゆくかは、日々どういうふうに身体を使っているかに由ります。
例えば、しっかりと筋肉を使い、骨に適度な負荷をかけ、きちんとタンパク質を摂取していると、必要に応じて筋肉も骨も強度を保持、もしくはより強く生まれ変わってゆきます。
逆に、身体にかかる負荷の少ない生活を送っていると、身体が「それほど強い筋肉や骨は必要なさそうだ」と判断して、新陳代謝をしながら身体は弱く生まれ変わってゆきます。
ですから、油断していると将来カラダは良くない方向に変化してゆく可能性もありますが、
逆に、今、カラダに不具合を感じていても、過ごし方やメンテナンスの仕方次第で、将来カラダは良い方向に変わり得る、ということです。
皆さん、諦めずにカラダ・メンテナンスしてゆきましょう!
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
耳の中でセミの鳴いている様な音や金属音の様なキーンという音が常にしている耳鳴りは不快なだけでなく大変ストレスにもなる症状です。
耳鳴りそのものもストレスですが、そもそも耳鳴りの原因の一つにストレスが挙げられます。
以前、この様な患者さんがいらっしゃいました。数年前から毎日約10時間に及ぶ慣れないPC作業が続き、それに伴ってふらつき、肩こり、眼の疲れ、頭痛といった症状が出現した後に耳鳴りが出現した、ということで相談にいらっしゃいました。
また別の患者さんは、元々長年(意識を向けると)耳鳴りがあるものの平素は音に慣れてしまっていました(程度によって耳鳴りの音には慣れも出てきます)。ところが上記に似た多忙とストレスが続いた後に悪化し、睡眠にも影響が出てきたといって相談にいらっしゃいました。
最近では元々あった耳鳴りがこのコロナ禍で悪化したというケースも聞きました。
これらのケースは、中医学(中国の伝統医学)的には、多忙によって気血が損耗し、身体上部にある頭部や耳目などに十分な気血が行き届かなくなった上に、ストレスによって生じた気の停滞・鬱積が長引いて熱化(鬱熱)し、その熱が上衝して耳に影響したことが原因として考えられます。
こうした場合、針灸治療では、先ず気血を補いながら、同時に停滞した気の巡りを良くすることを考えます。
例えば、手の「合谷」と足の「太衝」というツボの組合せにはその働きがあります。
これに耳を通る経絡上で手首近くにある「外関」と言うツボを取るなどして症状の改善を図ってゆきます(各々下図1枚目~3枚目)。
日常生活で十分な休息を取りリラックスしてもらうことも大切な治療の一要素となります。
もちろんストレス以外の原因も考えられます。
中医学では五官の中で「耳」は「腎」の臓との関係が深いと考えます。
中医学では、「腎」という臓は〝先天的なエネルギー〟を蓄えている臓で、成長や老化と密接な関係があります。
「腎」は「耳」以外にも「歯」や「骨」とも関係が深く、その為、加齢と共に「腎」(≒先天エネルギー)が弱くなって来ると、「歯」が弱くなったり、「骨」が弱くなって背中が丸くなったりしやすくなると考えます。
同様に、「腎」の衰えによって「耳」が十分に栄養されなくなると耳鳴りや難聴を生じてくるという訳です。
加齢は自然現象なので補うにも限界はあるかも知れませんが、加齢以外に、大病の後や、著しく体力を消耗するようなことがあった後などに発症したものもこのタイプに当てはまります。
この場合は、例えば、腎経の原穴である足の「太谿」というツボで「腎の気」を補いながら、耳のすぐ前方にある「聴宮」というツボで耳局所の血流改善を図ったりしてゆきます(下図1枚目~2枚目)。
耳鳴りはなかなか簡単な症状ではありません。
それ故、長期に渡ってお悩みの方も多くいらっしゃいます。
様々な治療を試している方も多いと思いますが、針灸治療を試したことが無い方は、選択の一つとして是非針灸もお試しください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
最近、『筋トレをやり過ぎると死亡リスクが高まる』という話が話題となっていますね。
ネットやTVの番組でも報じられていたので目にした方も多いのではないでしょうか。
東北大、早稲田大、九州大の共同研究グループによる研究結果として、
筋トレを週に130時間以上行う人は、筋トレを行わない(週に0時間)人に比べて、心血管疾患の発症リスク、がんのリスク、死亡リスクなどが高まる、という驚きのデータが示されました。
もちろん「筋トレが危険だ!」と言っているのではありません。
運動嫌いの人は、これを「運動をしない口実」にはしないようにしてくださいね(笑)
同研究データでも、週30分~60分程度の筋トレを長期的に続けた場合には、上記の様な疾病の発症リスク、死亡リスクは、筋トレを行わない人と比べて、いずれも10~17%少なかったというデータが示されています。
週130時間を超えた場合に、一転して、リスクが増加する(糖尿病リスクは例外)、ということです。
ただ、糖尿病の発症リスクについてだけは、週30分~60分程度の筋トレはもちろん、週130時間を超えても、筋トレ時間(/週)に比例してリスクは減少していたようです。
(※糖尿病に対する筋トレの効果については2022/7/5日ブログもご参照ください。)
研究報告の中では、今のところ、筋トレを週130時間以上行うことによる疾病発症リスクの増加原因は不明とされています。
仮説の一つとしては、強度の高い運動を過度に行うことによって活性酸素が増え過ぎ、それが悪影響するのではないか、という見解もあるようです。
(※活性酸素については、2021/10/13ブログ、2022/3/2ブログをご参照ください。)
今回の研究データでは、筋トレの「一週間あたりの時間数」だけが示されています。
筋トレの内容や負荷(強度)、あるいは年齢層ごとの違いなどについては言及が無いので、週あたりの時間数だけでは一概に言えない部分もあると思います。
但し、やはり「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という訳の様です。
以前のブログ(4月27日ブログ)で紹介した『ロジカル筋トレ』という本には、
筋トレは、その目的を明確にし、目的・目標に合った内容、強度(負荷)・頻度、そして正しいやり方(フォーム)で行うことが大切であるとありました。
一方で、何キロ挙げた、とか、何回行ったという回数やセット数を目標(目的)にしてしまい、正しいやり方(フォーム)を崩してまで無理してやるのは良くないともありました。
おそらくこれは筋トレに限らず、有酸素運動やストレッチ、ヨガやダンス、或いはゴルフの練習など、他のあらゆる運動についても言えることでしょう。
コロナ禍がはじまって以来、座りっぱなしや運動不足の方が問題になりがちです。
一方で、一念発起して運動をはじめる方もいらっしゃるかと思います。
軽くこなせる程度の運動を、楽にこなせる量(時間、回数)だけ行っても、健康増進にはあまり効果がないかも知れません。
しかし、やればやるほど効果があると思って闇雲にやり過ぎてもまた逆効果のこともあるということです。
「加減」というのは難しいですが、
是非、現在のご自分の体力、そしてご自分の目的・目標に合った、適切な運動を見つけ、行ってください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
『80歳の壁』という本が少し前からブームになっていますね。
書店では平積みにされていますし、TVの情報番組でも取り上げられたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
本書は、「高齢者」を「幸齢者」と表現し、80歳を過ぎた後の時間を如何に健康で幸せに過ごすかの考え方や方法が紹介されています。
著者は高齢者医療に長年携わってきた医師。実際に多くの高齢患者さんを診てきた経験から、「高齢」を「幸齢」として過ごしてゆく為の知恵が提案されています。
例えば、
80歳を超えて急に訪れる70代までとは異なった身体的変化や環境の変化をどう受け入れてどう対処すれば良いのか。
80歳も過ぎれば、健康診断とはどのように付き合ってゆけば良いのか。そして、どの程度その結果を気にした方が、或いは、「気にしない」方が良いのか。
食生活や生活習慣など、日々の生活の中で、どんなことは「もう我慢しないで好きなようにやれば良い」のか、或いは、どんなことは「気を付けた方が良い」のか。
そういった問題が一つ一つ具体的に取り上げられています。
しかしこの本は、80歳を迎えた方や目前にした方、或いは、80歳を迎えようとするご両親を持つ方が参考に読むだけでなく、
比較的、弱・中年層の方が読んでも良いのではないかと思っています。
それは、『いずれ誰もが歳を取る』ということもあります。
しかしそれだけではありません。
例えは、50代でも、40代でも、或いは、30代ですら、
ある年代に突入したら、それ以前の年代とは異なる身体変化が現れ、「あれっ?こんなはずでは」ということ(≒不調)が生じてきます。
また、各世代ごとに、社会的にもプライベートでも、大きな環境の変化が訪れるタイミングがあり、それが心身の健康状態に大きな影響を与えることがあります。
特にここ数年は、コロナ禍に因る社会の変化と、それに因る心身への影響に苦しんでいる方も多いのではないかと思います。
本書は『80歳の壁』というタイトルですが、80歳に拘らず、『年代の壁』、或いは『コロナ禍の壁』と読み替えて読んでも十分に参考になる内容が含まれていると思いました。
これからの時間を「健康」で「幸せ」に過ごしたいと考える方は、是非ご参考にしてみてください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
前回は、「痛み」の種類についてお話しました。
その中で、慢性痛に関する心理的要因についても触れましたが、
長引く痛みに関しては「痛みの悪循環」ということについてもお話ししておきたいと思います。
急に痛くなり、短期で治まる痛みを「急性の痛み」と言います。
一方、1~3カ月以上続く痛みを「慢性の痛み」と言います。
通常、「痛み」が生じると、交感神経や運動神経が緊張・興奮し、血管の収縮や筋肉の緊張を引き起こします。
その結果、血流が悪くなり、局所での「痛み物質」の発生(増加)につながります。
通常は、痛みが生じても、時間と共に交感神経の興奮はおさまり、血流も改善して、痛み物質が流され、痛みも鎮まってゆきます。
ところが、痛みが長引いてくると、交感神経の緊張が続き、血管が収縮して血流が悪い状況が続くので、局所の「痛み物質」の発生が増加します。
「痛み物質」は血管を収縮させるので、それによって血管はまた収縮を続け、
血管収縮に因る「痛み物質」の発生(増加)と、「痛み物質」の発生による血管の収縮という悪循環を生じます。
痛みによって交感神経の興奮もおさまらず、これがまた血管の収縮や筋肉の緊張を持続させ、痛みが長引きます。
こうして「痛みの悪循環」に陥ります。
既述の通り、通常は、痛みが生じても、時間と共に交感神経の興奮はおさまり、血流も改善して、痛みも鎮まってゆきます。
これは私たちの体に自然治癒力・回復力が備わっているからです。
しかし「痛みの悪循環」に陥ると自然治癒力による回復が遅れます。
痛みの治療は、この「痛みの悪循環」を断ち切ること、あるいは、「痛みの悪循環」に陥らない様にすることも目的の一つとなります。
薬は副作用があるからと鎮痛剤の服用などを嫌がる(怖がる)方もいらっしゃいますが、適切な服用は、「痛みの悪循環」に陥らない、あるいは「痛みの悪循環」を断ち切って回復に導く利点が薬の副作用を上回ると考えます。
前回のブログでもお話した通り、私たち整骨院や鍼灸院の施術というのは、マッサージなどの手技や、鍼・灸、その他の道具を用いた施術によって、痛みの閾値をコントロールしたり、あるいは、血流を良くすることで痛みの軽減を図ってゆきます。
これもまた、「痛みの悪循環」に陥らない、あるいは「痛みの悪循環」を断ち切ることが目的の一つとなっています。
「あれ、何かいつもより痛みが長引いているかな?」「痛み始めてから時間が経っている割に痛みが強いなか?」と感じた場合には、「痛みの悪循環」に陥り、身体の自然治癒力・回復力が十分に働き辛くなっているのかも知れません。
身体の自然治癒力・回復力を十分に働かせる為にも、長引く痛みにお悩みの方は早めにご相談ください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
痛みがあるのは不快ですし苦痛ですよね。
では、この痛みにはどういった種類があって、どういった仕組みで生じるのかについて見てみたいと思います。
痛みは、大きく分けると次の三種類に分類されます。
①侵害性疼痛(侵害受容性疼痛)
切り傷や打撲、骨折、あるいは、お腹が痛い、喉が痛い、歯が痛い、といった、誰もが経験したことのある様な痛みがこれに当たります。
からだの組織には、組織の損傷を感知する痛みの侵害受容体があります。
侵害受容体とは、いわば、組織の異常を感知するセンサーやアンテナの様なもので、その多くがが皮膚や内臓に分布しています。
上記の様な「痛み」は、組織の損傷や刺激、炎症によって、痛みのセンサーが刺激されたことによって生じる(感じられる)感覚(痛み)です。
②神経障害性疼痛
上記の痛みに対して、センサーやアンテナと脳とを繋いでいる神経のケーブルが傷害されたり変調をきたして生じる痛みがこれに当たります。
神経や脊髄だけでなく、脳自体の損傷や機能障害によって生じるものもあります。
侵害受容性疼痛に比べると、治療が難しかったり、症状が長引いたりし易いとも言われます。
障害を受けている部位と痛みを感じる部位とが離れていることがあるのもこのタイプの痛みです。
手術やケガで傷つけた後に生じる神経痛や、帯状疱疹(ヘルペス)後の神経痛、三叉神経痛、あるいは、がんによる神経の圧迫や浸潤で生じる痛みなどがあります。
③心因性疼痛
これは上記の二つに当てはまらない痛みです。
つまり、痛みを感知するセンサーやアンテナ(侵害受容体)、あるいは、それを伝えるケーブル(神経)に異常が見当たらない痛みです。
心理的要因によるものなので、薬剤と精神心理療法などが併用されることが多いものです。
上記ふたつの疼痛に比べるとまれなケースです。
とは言え、どのような痛みも心理的要因によって悪化します。
例えば、慢性の痛みがある人は、痛みが再発もしくは増悪することに対する不安や恐怖によって痛みを感じやすくなり、同程度の身体疾患の人に比べても痛みが強調あるいは増強して感じられる様になります。
こうした心理的要因によって悪化する慢性の痛みを慢性疼痛症候群と言います。
以上が「痛み」の大きな三つの分類です。
③については、①や②に比べると「まれ」であるとは書きましたが、
「痛み」、特に「慢性痛」に対する「脳」の関与や「心理的要因」は、近年、特に注目され、研究も進んでいます。
私たち整骨院や鍼灸院の施術というのは、マッサージなどの手技や、鍼・灸、その他の道具を用いた施術によって、痛みの閾値をコントロールしたり、あるいは、血流を良くすることで損傷した組織の回復を促進することで痛みの軽減を図ってゆきます。
長引く痛み、頑固な痛みにお悩みの方は、是非ご相談ください。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
今年の東京は6月の内から猛暑日が続きました。
短い梅雨も終わって、これからまだまだ暑い日が続きそうです。
熱中症予防のためにも水分摂取は必要ですが、水分摂取が多過ぎたり、冷たいものを飲み過ぎると、胃腸が元気を無くしてきます。
プールに長く浸っていると皮膚がふやけてきたり、反って体を冷やしますよね。
胃腸も多量の水分に浸り続けることで冷えたりふやけたりして働きが悪くなる、そんなイメージです。
そのような状態にも針灸治療は効果を発揮します。
針や灸を受けたことの無い人でも、ツボに少し興味があれば『足三里(あしのさんり)』というツボの名前は聞いたことがあるかも知れません。
胃腸のツボ、滋養強壮のツボとして知られたツボで、松尾芭蕉が足三里に灸をすえながら旅をした、ということでも有名です。
胃や腸の働きを調えたり、弱った胃腸に元気を与えるのは針灸治療が本来得意とする分野なのです。
夏バテではありませんが、以前こんな患者さんがいらっしゃいました。
体質的にかなりの胃腸虚弱で、体力が無く、食も細く、西洋薬は胃に触るということで、継続的に漢方の煎じ薬を服用していました。
しかしある時、あまりにも体調が崩れ、煎じ薬はそのにおいだけで受け付けなくなりました。
そのため、(においや味が気になり難い)製剤漢方に切り替えたのですが、それでも胃に入ると気持ち悪くなって受け付けないといった具合でした。
胃腸虚弱を治すために漢方薬を服用していたのですが、その薬すら受け付けないくらい胃腸が弱ったのでは漢方薬もその効力を発揮することができません。
食事もほとんど取れなくなり、漢方薬局からの紹介で針灸にいらっしゃいました。
それだけ体力が弱っているので針灸の刺激量や使うツボは色々と工夫を要しましたが、治療を重ねる毎に、針灸の刺激で少しずつ胃腸が活動をはじめ、簡単な食事が取れるようになりました。
その後、漢方薬が服用できるようにまで回復し、再び漢方薬の治療に戻ってゆきました。
お薬はお薬の、針灸は針灸の特徴、特質があり、それらを活かして上手に使い分けや併用をすることを学んだ症例でした。
夏バテや胃腸の不調に対するセルフケアとしては、市販のお灸を使って足三里のツボに施灸するのも良いでしょう。
水分摂取が多くなりがちなこの時期の胃腸の不調や身体のだるさなどは、6月14日のブログ(湿邪に因る不調)で紹介したツボもご参照ください。
セルフケアでは間に合わない体のだるさや、胃腸虚弱・便秘などの胃腸不良でお悩みの方は是非一度、針灸治療を試してみてください。
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前回につづき、一年前のブログで紹介した熱中症対策を再度紹介したいと思います。
前回お話しした様に、適切に汗をかけるカラダを作っておくことは体温調節には大切なことです。
しかし、発汗するということは、同時に脱水にも気を付けなくてはなりません。
汗をかく運動を行う際には事前の水分補給や発汗後の水分補給に注意を払ってください。
猛暑日や熱帯夜にあっては、入浴前の水分補給や、就寝前の水分補給にも気を配りたいものです。
運動の時の分かりやすく目に見える発汗以外にも、人は自然蒸散でカラダの水分を失っています。
脱水症状に陥りやすい原因のひとつには、
カラダに水分を蓄えておくことの出来る量が多いか少ないか、ということもあります。
そして、そのカラダの保水量は、ある程度、筋肉量に比例します。
しっかりと筋肉に刺激を与える運動をして、筋肉を落とさない様にしておくことは、
カラダの保水量を増すことにもつながり、脱水や、熱中症の予防対策にもなるのです。
筋肉量に比例するのはカラダの保水量だけではありません。
血糖の取り込み能力もまた筋肉量に比例します。
つまり、筋肉をしっかりと使っておくことは糖尿病の予防や対策にも有効なのです。
逆に、脂肪細胞からはインスリンの作用を阻害して、血糖の取り込みを邪魔する、
つまり、血糖値を下がりにくくするホルモン(レジスチン)が放出されます。
ある程度しっかりと筋肉に刺激を与える運動をして、筋肉を落とさない様にしておくと、
熱中症予防対策にも、糖尿病などの生活習慣病の予防・対策にもなるのです。
運動嫌いの人には耳が痛いお話かも知れませんが、
何もハードな筋トレをしてムキムキにならないといけない訳ではありません。
先ずは、座りっぱなしの時間を減らし、歩いたり階段を昇り降りする機会を少し増やすことからでも構いません。
”おうち時間”が増えている昨今、家の中や近所で出来る範囲で良いので、
工夫をして筋肉に少し刺激を与えてあげましょう。
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こんにちは。芝公園整骨治療院の藤本です。
前回、前々回と熱中症の分類と症状、その対処法についてお話しました。
今回は、熱中症対策について、ちょうど一年前に紹介したブログの内容を再度紹介したいと思います。
先ずは、熱中症予防対策としての適度な発汗習慣についてです。
この時期なんとも不快な汗ですが、発汗の大切な作用のひとつに
カラダから水分が蒸発することによって
上昇した体温を下げ、体温調節を行うという働きがあります。
汗は、汗腺から分泌されます。
この汗腺、実は、体表にあるすべての汗腺が常に働いている訳ではありません。
その働きをお休みしている休汗腺が一定の割合存在していると言われています。
しかし、常に空調などで調節された快適過ぎる(?)空間に居て汗をかく機会が少なく、
加えて、運動習慣が無く、定期的に適度な発汗をする習慣が無い様な人は、
この休汗腺が増えてしまうと言われています。
そうなるとどうでしょう?
体温が上昇し、いざ汗をかかないといけない状況になった時に上手く汗をかけず、
適切な体温調整、つまりクールダウンが出来辛くなります。
つまり、熱中症になる要因の一つには、気温や湿度などの外界の条件の他、
カラダが上手く体温調整できなくなっていることもある様です。
昨今、マスク着用により、適度な口からの体温放出も出来難くなっています。
ですから、普段から適度に汗をかいて、体温調整が上手く出来るカラダ作りをしておく必要があります。
その為には、極端に冷房のきいた部屋に一日中閉じこもらないこと、
適度に運動をして適切な汗をかく習慣をつけること、
などを心がけてください。
もちろん汗をかく際には、水分補給に注意し、脱水症状にならないよう気を付けましょう。
汗をかいた後はこまめに着替え、汗が引いた後にかえって身体を冷やさない様にも気を付けてください。
汗は吸水性の良いタオルでそっと押さえて吸い取るようにし、
ゴシゴシ擦って毛穴が汚れで塞がれない様にしましょう。
適度な発汗は大切ですが、汗のかき過ぎもまた注意です。
中医学では、汗は“透明の血液”とも呼ばれ、極端な、もしくは異常な発汗は
大出血したことにも等しい体力の消耗を招くと考えます。
快適過ぎる(?)お部屋に閉じこもり過ぎず、
適度に運動して、適度に汗をかき、
感染対策に気を付けながらも、汗腺を活動させておきましょう!!
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前回は、熱中症の分類についてお話ししました。
今回は、熱中症の基本的な対処法についてお話ししたいと思います。
「熱中症かな?」と判断された場合の基本的な手当は以下の通りです。
①冷房が入っているところや風通しの良い日陰などに移動させる。
②衣類を緩めたり、脱がせる。
③氷や冷たいタオルなどで身体を冷やす。タオルやウチワなどで風を送る。
④意識がある場合は、食塩水やスポーツドリンクなどで水分を補給する。
前回、熱中症の分類を紹介しましたが、
それらに応じた個別の症状がみられる場合には、症状に応じて以下の様な手当も行います。
1)皮膚が赤く熱っぽい場合
→上半身を高くして寝かせ、氷などで、首や脇の下、脚の付け根などの、大きな動脈を冷やします。
2)脚や腹部などが痙攣している場合(全身ではない)
→0.9%食塩水かスポーツドリンクを補給し、痙攣部分をマッサージします。
3)皮膚が青白い場合(体温は正常)
→足を心臓より高くして仰向けに寝かせ、薄めの食塩水かスポーツドリンクを少しずつ補給します。
注意が必要なのは以下の場合です。
4)意識がはっきりしない場合
→すぐに救急車を呼びましょう。同時に、救急車が来るまでの間、冒頭の「基本的手当」①~③を行いましょう。必要があれば心肺蘇生法も行います。この場合、水分補給は厳禁の様です。
「熱中症かな?」と思ったら、前回紹介した熱中症分類と上記の対処法を参考に、早めの手当てをしてください。
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